役員報酬の払い忘れはどう処理する?会社の物をメルカリで売ったときの仕訳も解説
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ひとり社長や小さな法人の経営者から実際によく寄せられる2つの質問——「自分への役員報酬を払い忘れたらどう処理する?」「会社の物をメルカリで売ったお金は会社に戻すべき?」。答えは「未払金として処理し期末までに解消」「売却額は雑収入として法人に計上」です。この記事では、zeipTV でまほら会計税理士事務所の松岡さんに伺った内容を整理します。
役員報酬の払い忘れは「未払金」で処理する
自分(代表)への役員報酬を払い忘れた場合、会計上は未払金として計上すれば問題ありません。後から支払うときは、未払金を取り崩す仕訳(未払金/現金預金)をするだけです。
役員(特に代表)への未払いは、従業員の給与未払いと違って人材の離反や不信感につながらないため、資金繰りが厳しいときにあえて未払いにして支払いを遅らせるのも普通にあり得るとのこと。遅れてもペナルティはありません。
注意点は次の2つです。
- 期末までに解消するのが基本。決算をまたぐ場合も問題はないが、申告書の勘定科目内訳書に役員への未払残高を記載する必要がある
- 住民税を特別徴収(毎月天引きで納付)している場合、報酬が未払いでも毎月の納付は忘れないこと。国への支払いは遅れると金利がつく
「高めに設定して未払いでためる」裏技は使えない
役員報酬は一度決めると変更しにくいため、「高めに設定しておき、実際は低めに受け取って未払金で調整すれば便利では?」という発想が浮かびます。
これは社会保険料の壁があって現実的ではありません。役員報酬の額は年金事務所に届け出て、その金額に応じて社会保険料が決まるため、高めに設定すると実際に受け取っていなくても高い社会保険料を払い続けることになります。
また、役員賞与(ボーナス)は事前確定届出給与という制度で金額と支給日を事前に届け出る必要があり、1円でもずれたり1日でも遅れたりすると損金(経費)として認められない厳しいルールです。賞与の支払い忘れは絶対に避けましょう。
会社の物をメルカリで売ったお金は「雑収入」で会社へ
引っ越しのときに会社のデスクやチェアをメルカリで売った——このお金は法人に戻す必要があります。会社の経費で買った物は会社の資産なので、売却額は雑収入として法人に計上するのが答えです。
ひとり社長だと会社の物とプライベートの物の線引きが曖昧になりがちですが、「法人の物は法人に返す」が原則です。
税務調査でバレる?固定資産は特に注意
「そこまでチェックされるのか」という点も率直に聞いています。
- 10万円以下の消耗品(中古 PC・小さなデスクなど)— 帳簿上その期に経費処理されて残らないため、正直なところ調査で見落とされる可能性はある
- 固定資産台帳に載る資産(高額な機材・内装設備など)— 毎年1月に償却資産申告書で市区町村(東京23区は都税事務所)に一覧を提出しており、申告から消えると「この資産はどうなりましたか?除却しましたか?」と電話で確認が来る。税務調査でも台帳と売却の仕訳は突き合わせて見られる(なお車は自動車税で課税されるため償却資産申告の対象外だが、固定資産台帳では同様に管理される)
金額の大きい資産ほど確実に把握されているため、売却時はきちんと法人に売却額を入れて仕訳しましょう。
よくある質問
Q. 役員報酬を数か月払い忘れていました。問題ありますか?
未払金として計上すれば会計上は問題なく、ペナルティもありません。資金繰りに支障がなければ期末までに解消し、残る場合は申告書の内訳書に記載しましょう。
Q. 役員報酬を高めに設定して未払いでためるのはありですか?
おすすめできません。届け出た報酬額に応じて社会保険料が決まるため、受け取っていない分まで高い保険料を払うことになります。
Q. 会社の備品を売ったお金を自分の財布に入れたらどうなりますか?
会社の資産の売却額は雑収入として法人に計上する必要があります。固定資産台帳に載る資産は償却資産申告や税務調査で把握されるため、正しく処理しましょう。