相続争いは5,000万円以下が8割?争いやすいケースと生前対策を税理士が解説
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「相続争いはドラマの中のお金持ちの話」と思っていませんか。実際は逆で、相続をめぐる争いの約8割は遺産5,000万円以下で起きています。しかも件数は年々増加中。金額や家族仲にかかわらず、誰にでも起こり得るのが相続争いです。この記事では、zeipTV で Miraie 会計事務所の糸田さんに伺った内容をもとに、争いやすいケースと対策の考え方を整理します。
相続争いの8割は「普通の家庭」で起きている
法務省の統計によると、相続争い(遺産分割事件)の遺産額は次のような分布です。
| 遺産額 | 割合 |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 約35% |
| 5,000万円以下 | 約43% |
| 合計(5,000万円以下) | 約8割 |
何十億という資産家ではなく、ごく普通の金額で争いが起き、しかも件数は毎年増えています。「うちには関係ない」という前提は捨てて考えるのが安全です。
特に危険なのは「自宅しか財産がない」ケース
財産の種類によって、分けやすさはまったく違います。
- 現金・預金 — 金額で分けられるので揉めにくい
- 不動産(自宅) — 物理的に分けられないため、最も揉めやすい
「実家の家しかなく現金がほとんどない」という家庭は典型的な危険パターンです。売ってお金にすれば分けられますが、そうすると残された配偶者が住む場所を失うという別の問題が起きます。夫婦で築いた住まいに住み続けられなくなる事態は避けたいところです。
「うちの子どもたちは仲がいいから大丈夫」が危ない
相談に来るご夫婦の多くが「子どもたちは仲がいいから心配ない」と言うそうですが、仲が良くても揉めるのが相続です。
理由のひとつは、子どもに配偶者ができること。血のつながらない親族が増えると、「あなた、ちゃんと主張しなさいよ」という形で外から火がつき、それまで仲の良かった兄弟が自宅の取り合いになる——という展開が実際に起きています。
生前対策(遺言書など)は、税金対策であると同時に、家族の仲を壊さないための対策でもあります。
日本の相続税は世界一高い
対策の重要性を裏付けるのが税率です。日本の相続税は10%から始まり、最高税率は55%。これは OECD 加盟国の中で最も高い水準です。
一方でシンガポールのように相続税が存在しない国もあり、高額資産家の中には海外移住を選ぶ人も出ているほどです。移住まではしなくても、日本で財産を残す以上、生前贈与や遺言などの対策を検討する価値は十分にあります。
よくある質問
Q. 財産が少なければ相続争いの心配はいりませんか?
いいえ。争いの約35%は遺産1,000万円以下、約8割は5,000万円以下で起きています。金額の大小より、分けにくい財産(自宅など)があるかどうかが重要です。
Q. 家族仲が良ければ対策は不要ですか?
不要とは言えません。子どもの配偶者など血のつながらない親族が関わることで、仲の良かった兄弟が揉めるケースは多くあります。遺言書などの生前対策が家族円満を守ります。
Q. 日本の相続税はどれくらい高いのですか?
最高税率55%で、OECD 加盟国の中で最も高い水準です。相続税がない国(シンガポールなど)もある中で、日本で財産を残すなら事前の対策検討が重要です。