日本政策金融公庫の創業融資はいくらまで借りられる?自己資金の目安を税理士が解説
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創業時の資金調達で定番なのが日本政策金融公庫の創業融資です。いくらまで借りられるのか——実務の目安は自己資金の2〜3倍です。制度上の上限は、動画の時点(旧・新創業融資制度)では3,000万円でしたが、2024年4月の制度改組後の「新規開業・スタートアップ支援資金」では7,200万円(うち運転資金4,800万円)に拡充されています。審査で見られるポイントには意外なものもあります。この記事では、zeipTV でリライル会計事務所の野口さんに伺った内容を整理します。
審査で見られるのは「自己資金」と「業界経験」
創業融資の審査でよく見られるポイントは2つです。
1. 自己資金 — 借りられる金額の目安は自己資金の2〜3倍。1,000万円借りたいなら自己資金300万円程度あると安心です。そして自己資金は金額だけでなく「本気度の表れ」として見られます。
2. 業界経験 — 「脱サラしてすぐ蕎麦屋」より「有名な蕎麦屋で2〜3年修行してから独立」の方が成功しそうに見えるのと同じで、その事業の経験があるかは重視されます。大手 IT 企業での担当経験を活かして起業する、といった形は評価されやすいポイントです。
通帳の「お金の貯め方」まで見られる
審査では過去の通帳の提出を求められ、自己資金の出どころもチェックされます。
- 毎月の給料から2〜3年かけてコツコツ貯めた300万円 → 本気度のアピールになる
- 直前にポンと入金された300万円(親からの借入など) → 印象は弱い
また、クレジットカードや他の借入の残債があると印象がかなり悪くなるため、残債がある場合は融資のタイミング自体を考え直した方がよい、とのことです。
借入額の決め方:必要額から自己資金を引く
借りる金額は「借りられるだけ」ではなく、事業計画から積み上げるのが基本です。
- 必要な資金を計算する(例: 設備投資1,000万円+運転資金500万円=1,500万円)
- 自己資金を引く(自己資金500万円なら、借りたいのは1,000万円)
- その根拠を事業計画書で説明する
なお、自己資金100万円で2,000万円の融資が出た例外的なケースもあったそうですが、それは事業計画の説得力と経歴が突出していた「再現性のない例」。基本は2〜3倍の目安で考えましょう。
公庫の上限額
動画で語られた上限は当時の制度(旧・新創業融資制度)のものです。制度はその後改組されています。
| 時期 | 制度 | 上限 |
|---|---|---|
| 動画時点(〜2024年3月) | 旧・新創業融資制度 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
| 現在(2024年4月〜) | 新規開業・スタートアップ支援資金 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
上限は拡充されましたが、実際に借りられる額が事業計画と自己資金で決まる点は変わりません。「自己資金の2〜3倍」の目安を頭に置いて事業計画を組み立てるのが現実的です。
よくある質問
Q. 自己資金はいくら必要ですか?
借りたい金額の1/3〜1/2(=融資は自己資金の2〜3倍)が目安です。金額だけでなく、コツコツ貯めた形跡が通帳で見えることが本気度の証明になります。
Q. 親から借りたお金を自己資金にできますか?
通帳の出どころを見られるため、直前の大きな入金は自己資金としての評価が弱くなります。時間をかけて自分で貯めた資金の方が審査上有利です。
Q. 公庫の創業融資はいくらまで借りられますか?
現行制度(新規開業・スタートアップ支援資金)の上限は7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。ただし実際の融資額は事業計画と自己資金次第で、自己資金の2〜3倍が目安になります。