資産管理会社はいつから持つべき?所得の目安とメリットを公認会計士に聞いた
zeip は、あなたに合った顧問税理士が見つかる無料の税理士紹介プラットフォームです。会員登録なしで面談を申し込めます。
高所得の会社員や儲かっている個人事業主の間で話題になる「資産管理会社」。いつから持つべきなのでしょうか。目安のひとつは所得695万円超(所得税+住民税の税率が33%を超えるライン)、そして給与に加えて不動産投資や副業の所得がある人です。この記事では、資産30億円超の富裕層向けに資産管理会社の設立を50件以上手がけてきた、齋藤久誠 公認会計士・税理士事務所の齋藤さんに zeipTV で伺った内容を整理します。
資産管理会社とは:目的のための「法人格」
資産管理会社とは特別な種類の会社ではなく、資産の管理・防衛を目的に持つ法人のこと(プライベートカンパニー、財産保全会社とも呼ばれます)。95%以上は株式会社か合同会社で作られます。
| 形態 | 特徴 |
|---|---|
| 合同会社 | 設立コストが株式会社より20万円ほど安い。1人会社ならまずこれで十分。後から株式会社への変更も可能 |
| 株式会社 | 種類株式(無議決権株式・配当優先株式など)が使えるのは株式会社だけ。相続対策などで設計したい場合はこちら |
節税だけでなく、「本業と別の事業を法人格でやる」「代表を別の人にして株主として関わる」など、選択肢を広げる器としての使い方もあります。
検討の目安は「所得695万円超」
個人の所得税は累進課税で、所得が増えるほど税率が上がります。
- 所得695万円超 — 所得税+住民税で約33%。このあたりが検討の最低ライン
- 所得1,150万円前後〜 — 税率約43%の世界。法人化の効果が大きくなる
一方、法人税は所得400万円以下なら約21%。高い個人税率で払うか、低い法人税率で受けるか——この差が資産管理会社の基本的なメリットです。
効果が大きいのは「給与+不動産・副業所得」の人
典型例として動画で挙げられたのが、年収900万円の会社員が不動産投資で200万円の所得を得るケースです。
- 個人のまま → 不動産所得は給与に上乗せで累進課税され、40%以上の税金がかかる
- 資産管理会社で投資 → 給与とは切り離され、法人税率**約21%**で済む(およそ半分)
なお、株式投資のように分離課税(約20%)で完結するものは個人のままで問題ありません。問題になるのは、給与と合算して累進課税される総合課税の所得です。また「減価償却で給与所得と損益通算して還付を狙う」やり方は推奨せず、利益を出して積み上げるなら法人というのが齋藤さんのスタンスです。
法人ならではの節税:経費と家族への所得分散
資産管理会社を持つと、次の方法も使えるようになります。
- 法人の経費として支出できる範囲が広がる
- 家族への所得分散 — 専業主婦(主夫)の配偶者や子どもに役員報酬を100〜200万円払えば、それぞれが低い累進税率で受け取れるため、家族全体の税負担が下がる
よくある質問
Q. 資産管理会社は所得がいくらから検討すべきですか?
目安は所得695万円超(税率33%超のライン)です。給与所得1,150万円前後になると税率43%に乗るため、効果はさらに大きくなります。
Q. 株式会社と合同会社のどちらで作るべきですか?
1人で簡単に始めるなら設立コストの安い合同会社で十分です。無議決権株式など種類株式を使った設計をしたい場合は株式会社が必要です。後から変更もできます。
Q. 株式投資も資産管理会社でやるべきですか?
株式の売却益は分離課税(約20%)なので、個人のままで不利はありません。法人化の効果が出るのは、給与と合算して累進課税される不動産所得や副業の事業所得です。