創業融資は借りられるだけ借りるべき?資金調達の考え方と経理体制を税理士が解説
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創業時の資金調達でよく聞くのが「借りられるだけ借りておけ」というアドバイス。本当でしょうか。zeipTV でリライル会計事務所の野口さんに伺った結論は、「早めに借りておくのがおすすめ」。理由は、借りやすいタイミングが限られているからです。この記事では、創業融資の考え方と、あわせて伺った会社の成長段階ごとの経理体制の目安を紹介します。
「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」——銀行の仕組み
銀行はリスクに応じて貸すかどうかを決めます。業績のいい会社には貸したいし、潰れそうな会社には貸せない——これが仕組みです。
一方、創業した会社の初年度は投資が先行して赤字になるケースが多いもの。「事業を始めたばかりでお金がなくなったので貸してください」より、「これから事業を始めるので計画的に借りたい」の方が、貸す側の心証は圧倒的に良いのです。
創業融資は「使える期間」がある
もうひとつの理由が対象期間です。動画の時点の制度(旧・新創業融資制度)では対象が事業開始から2年以内に限られており、3年目以降に「創業融資を受けたい」と相談に来ても使えない——というもったいないケースが実際にあったそうです。
2024年4月の制度改組後の「新規開業・スタートアップ支援資金」では対象が創業後おおむね7年以内まで広がりましたが、期間の定めがあること、そして赤字になりやすい創業期こそ借りやすい条件が用意されていることは変わりません。期間を過ぎた場合は一般の融資制度を使うことになります(創業融資のために会社を作り直す人は、コストの方がかかるため現実にはいません)。
借りる金額は、事業計画を作って「必要額と自己資金の差額」を説明できる形にすると、公庫の理解を得やすくなります。
あわせて聞いた:会社の規模別・経理体制の目安
リライル会計事務所はクラウド会計「freee」の導入実績が全国トップクラス(約500社)。会社の成長段階ごとの経理のおすすめも伺いました。
| ステージ | 売上の目安 | おすすめの体制 |
|---|---|---|
| 創業期 | 〜1,000万・2,000万円 | 自分で記帳し、会計事務所にチェックしてもらう(資金を有効に使う) |
| 成長期 | 5,000万円超・従業員数名 | 記帳は会計事務所へ外注(月1〜2万円程度)。社長は売上を伸ばすことに時間を使う |
| 拡大期 | 2〜3億円・従業員20〜30人 | 経理を内製化。月次決算を早め、部門別の分析も。取引件数が多い会社は外注より人を雇う方が安くなる |
クラウド会計の最大のメリットは、やり取りのしやすさ以上に自動化による効率化とのことです。
IPO を目指すなら「上場の3〜4年前」から相談を
IT スタートアップの支援を得意とする同事務所によると、IPO(上場)を目指す会社は上場の3〜4年前から税理士に相談するのが理想。何が足りないかを整理し、管理体制をある程度整えてから監査法人・証券会社に持ち込むことで、スムーズに引き受けてもらえます。準備なしで依頼して一度断られると、二度目は頼みづらくなるためです。
よくある質問
Q. 創業融資はいつまでに申し込めばいいですか?
現行制度(新規開業・スタートアップ支援資金)は創業後おおむね7年以内が対象です(動画時点の旧制度では2年以内でした)。いずれにせよ、借りやすい創業期のうちに早めに検討するのが得策です。
Q. 必要になってから借りるのではだめですか?
資金が尽きてからでは審査が通りにくくなります。銀行は業績や計画を見て貸すため、「困る前に、計画とともに借りる」のが資金調達の基本です。
Q. 記帳は自分でやるべきですか、外注すべきですか?
創業期は自分で記帳して会計事務所にチェックを頼み、売上5,000万円を超えたあたりから外注、2〜3億円規模になったら内製化——というのが目安です。社長の時間の使い方とコストのバランスで決めましょう。