持ち家は経費にできる?住宅ローン控除と家事按分の注意点を税理士が解説
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自宅で仕事をする個人事業主から多い質問が「賃貸の家賃は家事按分で経費にしているが、持ち家に移っても同じように経費にできるのか」です。結論は、建物部分の減価償却費を家事按分して経費にできます。ただし住宅ローン控除を受けている場合は、事業用の割合を10%以下に抑えるのが重要なポイントです。この記事では、zeipTV でガクヤ税理士事務所に伺った内容をもとに、持ち家の経費計上と関連する費用の考え方を整理します。
持ち家で経費にできるのは「建物の減価償却費」
まず大前提として、持ち家は土地と建物に分けて考えます。
- 土地: 経費という考え方がなく、経費にできない
- 建物: 購入額を一度に経費にはできず、減価償却(毎年少しずつ経費化する仕組み)で計上する
この建物部分の減価償却費を、賃貸の家賃と同じように家事按分(事業で使う割合だけ経費にする)していくのが原則です。1,000万円の家を買った年に1,000万円を経費にできるわけではない点に注意してください。
住宅ローン控除があるなら按分は10%以下に
最大の注意点が住宅ローン控除との関係です。住宅ローン控除は「居住用の部分」に対する制度で、事業割合との関係は次のようになっています。
- 事業用が10%以下(居住用90%以上)→ 住宅ローン控除を全額受けられる
- 事業用が10%を超える → 控除は居住用部分に按分されて縮む
- 居住用が床面積の2分の1未満 → 控除の適用自体を受けられない
ほとんどの場合、減価償却費の按分で節税できる額より住宅ローン控除で安くなる税金の方が大きいため、動画では「家事按分は10%以下にして、住宅ローン控除を満額守る方が得」とアドバイスされています。
住宅ローンを組んでいない場合は、この制約はないため、実態に応じてもう少し広い割合で按分しても問題ありません。
家事按分の割合は「説明できる根拠」で決める
税務調査で「なぜこの割合なのか」と聞かれたときに説明できることが大切です。動画で挙げられた根拠は次のとおりです。
| 按分の根拠 | 内容 |
|---|---|
| 床面積 | 書斎など仕事部屋の面積 ÷ 全体の床面積。税務署に認められた実績のある堅い方法 |
| 使用時間 | 仕事の時間帯が明確に分かれている場合に使える |
時間の証明は、メールのやり取りの時刻など裏付けがあれば心強いですが、なければ税務署にきちんと説明すれば問題になることは少ない、とのことです。
あわせて聞いた:パソコン・書籍代・売却時の扱い
動画では持ち家以外の経費の質問にも答えています。
- 30万円未満のパソコンを分割払いで購入 — 支払い方法は関係なく総額で判定。青色申告なら少額減価償却資産として一括で経費化できる。なお、翌年以降の方が利益が増える見込みなら、あえて通常の減価償却にした方がトータルの税金が少なくなる場合もある
- 勉強のための書籍代・スクール代 — 事業に関するものなら問題なく経費にできる。ただし従業員に受けさせる場合は全従業員を対象にしないと、その人への給与として扱われる可能性がある
- 経費で買った物をメルカリで売ったら — 経費にした時点で事業用の資産なので、売却額は雑収入として計上が必要。プライベートの生活用品の売却益が非課税なのとは区別する
よくある質問
Q. 持ち家の購入代金はどこまで経費にできますか?
土地部分は経費にできません。建物部分の減価償却費に、事業で使う割合(家事按分)を掛けた金額を毎年経費にします。
Q. 住宅ローン控除と家事按分は両立できますか?
できます。事業用割合が10%以下なら控除を全額受けられ、10%を超えると居住用部分への按分で控除が縮みます(居住用が半分未満になると適用外)。多くの場合、按分を10%以下に抑えて控除を満額守る方が得です。
Q. 家事按分の割合はどう決めればいいですか?
床面積の割合が最も堅い方法です(税務署に認められた実績あり)。仕事の時間が明確に分かれているなら時間での按分も可能です。いずれも「なぜその割合か」を説明できるようにしておきましょう。