免税事業者は消費税を請求していい?インボイス開始後の実態を会計士に聞いた

税理士をお探しですか?

zeip は、あなたに合った顧問税理士が見つかる無料の税理士紹介プラットフォームです。会員登録なしで面談を申し込めます。

税理士を探す

インボイスに登録していない免税事業者が悩むのが「請求書に消費税を入れ続けていいのか」です。現場の実態としては、請求金額は今までと変わらず、消費税も入れて請求している人がほとんどとのこと。ただし取引先からの値下げ交渉やインボイス登録の要請は実際に起きています。この記事では、zeipTV で公認会計士・税理士の藤崎さんに伺った、制度開始後のリアルな実態を紹介します。

登録した人・しなかった人は「五分五分」

売上1,000万円以下の事業者がインボイスに登録すべきかは、制度開始前から大きな議論でした。実際に始まってみると、登録した人としなかった人はおよそ五分五分という肌感覚だそうです。

分かれ目は顧客が誰かです。

  • 消費者向け(BtoC)が中心 — 顧客からインボイス番号を求められないため、登録しないケースが多い
  • 事業者向け(BtoB)が中心 — 取引先が仕入税額控除を受けられず負担が増えるため、登録を求められて「仕方なく登録した」人が多い

消費税は「入れて請求」が実態。ただし交渉はある

免税事業者でも、請求書に消費税を入れて請求すること自体は禁止されていません。実態としても、金額は従来どおり・消費税込みで請求し続けている人がほとんどとのこと。

一方で、取引先側は仕入税額控除の一部が取れなくなるため、次のような動きは実際に起きています。

  • 「いくらか値下げしてくれ」という交渉
  • 「インボイスに登録してほしい」という要請

特に一人親方など、個人で仕事を請けている人でこうした話があったそうです。

反発が小さかったのは「8割控除」の経過措置のおかげ。2026年10月からは5割に

免税事業者への支払いでも、取引先が仕入税額控除の一部を取れる経過措置があります。制度開始から2026年9月30日までは8割の控除が認められ、負担増が2割相当で済んでいたため、大きな反発になっていない——というのが、動画時点(8割控除の期間中)の現場の見立てです。

期間 取引先が控除できる割合
制度開始〜2026年(令和8年)9月30日 80%
2026年10月1日〜2029年(令和11年)9月30日 50%
それ以降 0%(控除不可)

問題はここからです。2026年10月1日以降は控除が5割に下がり、取引先の負担増は5割相当になります。負担感が一気に増え、値下げ交渉や登録要請が強まる可能性が高い、と動画では予想されていました(特例が延長される可能性への言及もありました)。免税事業者のままでいる人は、この段階で改めて登録するかどうかの判断を迫られることになります。

「インボイスで廃業」は本当にあった?

制度開始前に心配された廃業については、身近で直接見聞きした例はないものの、声優業界や利益率の低い業界では影響が大きいという報道があるとのこと。ギリギリの利益で生計を立てている業種ほど、消費税の負担増が続けられるかどうかに直結します。

よくある質問

Q. 免税事業者が消費税を請求するのは違法ですか?

違法ではありません。実態としても従来どおり消費税込みで請求している事業者がほとんどです。ただし取引先から値下げや登録の相談を受ける可能性はあります。

Q. インボイスに登録するかどうかは何で決めればいいですか?

顧客が誰かが分かれ目です。消費者向け中心なら未登録のままで実害が少なく、事業者向け中心なら取引先の負担を考えて登録を求められるケースが多くなります。

Q. 取引先の控除割合はいつ変わりますか?この先はどうなりますか?

取引先の控除割合は、2026年9月30日までの8割から、2026年10月1日以降は5割になり、2029年10月1日以降は0(控除不可)になります。段階が進むごとに負担感が増して交渉が強まると予想されるため、免税事業者のままの人は、控除が下がる節目ごとに方針を再検討しておくのが安全です。

税理士をお探しですか?

zeip は、あなたに合った顧問税理士が見つかる無料の税理士紹介プラットフォームです。会員登録なしで面談を申し込めます。

税理士を探す