経費にできるもの・できないものの線引きは?領収書をなくしたときの対処も解説
zeip は、あなたに合った顧問税理士が見つかる無料の税理士紹介プラットフォームです。会員登録なしで面談を申し込めます。
個人事業主が最初に悩むのが「どこまでが経費になるのか」です。判断の軸はシンプルで、業務に関連するものは経費、関連しないものは経費にならない——そしてその関連を自分で説明できるかがすべてです。この記事では、zeipTV で Miraie 会計事務所の糸田さんに伺った内容をもとに、経費の線引き・パソコンなど10万円超の買い物・領収書をなくしたときの対処を整理します。
経費になるかは「業務に関連するか」で決まる
材料費のように売上に直接必要なものは分かりやすい経費です。迷うものは「業務に関連するかどうか」で考えます。
- お客様との会食 → 経費になる
- 自分ひとりの昼食代 → 経費にならない(腹が減っては仕事にならなくても、業務との関連が説明できない)
- 事業主自身の健康保険料・年金・健康診断 → 経費にならない(従業員の分は経費になる。個人事業主が間違えやすいポイント)
国が品目ごとに決めているわけではなく、「なぜ業務に必要か」を説明できるかが基準です。たとえば「客先に行く前に喫茶店で資料を整理したコーヒー代」は、訪問の記録と時間が合っていれば経費として説明できます。逆に説明の材料が何も残っていないと難しくなります。
10万円を超える買い物は「減価償却」になる
15万円のパソコンを事業用に買った場合、そのまま一発で経費にはできません。1つ10万円を超えるものは固定資産となり、減価償却(法定の年数に分けて経費化)で処理します。
| 金額 | 処理 |
|---|---|
| 10万円未満 | そのまま経費 |
| 10万円以上20万円未満 | 3年で均等に経費化(一括償却資産)。15万円なら5万円×3年 |
| 30万円未満(青色申告) | 少額減価償却資産として一括で経費化も可能 |
| それ以上 | 法定耐用年数で減価償却 |
プライベートと兼用しているパソコンは、減価償却費を使用時間などで按分した分だけが経費です。注意点として、固定資産かどうかの10万円判定は按分前の総額で行います(15万円を半分ずつ使っていても「7.5万円だから経費」とはならず、固定資産として計上した上で毎年の償却費5万円の半分=2.5万円ずつを経費にします)。
領収書をなくしても「買った事実」を証明できればよい
領収書・レシートは証拠書類なので原則必要ですが、なくした場合も他の証拠で買った事実を証明できれば認められます。
- クレジットカードの利用明細
- 発注書・納品書などの取引記録
こうしたものが何もなく「使ったんです」だけでは、さすがに認められません。
切符・交通費の記録の残し方(駅での裏技も)
電車代はレシートが残らない代表格ですが、次のように対応できます。
- 券売機で買う程度の近距離 — 領収書がなくても、いつどこへ行ったかの記録(メモ)を残せば問題ない
- 新幹線など長距離 — 券売機の「領収書を発行しますか」ボタンを必ず押す。現金購入は特に証拠が残らないので注意
- 領収書をなくしたら — 降車時に改札へ入れる前に駅係員に事情を話すと、切符に使用済みの印を押して持ち帰らせてもらえる。これが領収書の代わりの証拠になる
- Suica・PASMO — 券売機の履歴印字機能で利用履歴を印刷して保存すればよい。モバイル版なら履歴データがそのまま記録になる
よくある質問
Q. 自分の昼食代や健康診断は経費になりますか?
なりません。業務との関連が説明できない自分の食事代、事業主自身の健康保険料・年金・健康診断は経費の対象外です(従業員の分は経費になります)。
Q. 15万円のパソコンはその年に全額経費にできますか?
原則はできず、固定資産として3年に分けて経費化します(10万円以上20万円未満の一括償却)。青色申告なら30万円未満まで一括経費にできる特例があります。
Q. 領収書をなくしたら経費は諦めるしかないですか?
諦める必要はありません。カードの利用明細や発注・納品の記録など「買った事実」を証明できる資料があれば認められます。切符なら降車時に駅で使用済みの印を押してもらう方法もあります。