副業は事業所得と認められない?青色申告のメリットと帳簿の条件を税理士が解説
zeip は、あなたに合った顧問税理士が見つかる無料の税理士紹介プラットフォームです。会員登録なしで面談を申し込めます。
「開業届を出せば個人事業として認められる」と思っていませんか。実は開業届を出していても、事業としての実態がなければ「雑所得」扱いになり、青色申告のメリットも赤字の相殺も使えなくなります。特に注意が必要なのがサラリーマンの副業です。この記事では、zeipTV で Miraie 会計事務所の糸田さんに伺った内容をもとに、事業と認められる条件と青色申告のメリットを整理します。
開業届を出しても「事業」と認められないことがある
専業で事業をしている人はあまり問題になりませんが、サラリーマンの副業は事業としての実態を問われます。
背景には、「副業でわざと赤字を出し、給与にかかる税金を減らす」というスキームの流行があります。これが問題視され、開業届を出していても実態がなければ雑所得として扱われ、税務署が厳しくチェックするようになりました。
事業と認められない(雑所得になる)と、次の不利益があります。
- 赤字を給与など他の所得と相殺できない(赤字は切り捨て)
- 青色申告そのものができない(特別控除も受けられない)
判断の分かれ目は「帳簿をつけているか」
国税庁の基準のポイントはシンプルで、帳簿をつけて保存しているかどうかです。
- 帳簿があれば、金額の大小にかかわらずおおむね事業所得として認められる(ただし帳簿だけあって実態がどう見ても趣味レベル、という場合は否認されることもある)
- 帳簿がなければ雑所得
帳簿は最低限 Excel でもかまいません。ただし「とりあえず」のメモ程度だと怪しく見られやすいため、安価なクラウド会計ソフトできちんとつけるのがおすすめです。きちんと帳簿をつけて実際に仕事をしていれば、過度に心配する必要はありません。
青色申告の4大メリット
事業と認められたら、青色申告を使わない手はありません。動画で挙げられた主なメリットです。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 青色申告特別控除 | 最大65万円を所得から控除。複式簿記+e-Tax(または電子帳簿保存)で65万円、複式簿記のみで55万円、簡易な帳簿でも10万円 |
| 赤字の相殺 | 事業の赤字を給与など他の所得と相殺できる |
| 赤字の3年繰越 | それでも赤字なら翌年以降3年間、黒字から差し引ける |
| その他の優遇 | 家族への給与など各種特典 |
会計ソフトの費用を払っても65万円控除で十分元が取れます。白色申告に特段のメリットはなく、「帳簿を一切つけたくない人」以外は青色申告を選ばない理由がない、というのが動画での結論です。
申請期限に注意:「その年の」3月15日まで
青色申告は事前の届け出が必要です。
- 個人: 適用したい年の3月15日まで(年の途中で開業した場合は開業から2か月以内)
- よくある勘違い: 「翌年の申告期限(3月15日)までに出せばいい」ではなく、適用したい年の3月15日です
- 法人: 設立から3か月以内(それより先に決算が来る場合は決算まで)。法人にも青色申告があり、繰越欠損金などのルールは個人と異なる
開業届と同時に青色申告承認申請書も出しておくのがベストです。
よくある質問
Q. 開業届を出せば副業も事業所得になりますか?
なりません。開業届の有無ではなく、帳簿の記帳・保存と事業の実態で判断されます。帳簿がなければ雑所得です。
Q. 副業が雑所得になると何が困りますか?
赤字が出ても給与所得と相殺できず切り捨てになり、青色申告(最大65万円控除・赤字の3年繰越)も使えません。
Q. 65万円控除を受ける条件は?
複式簿記で記帳した上で、e-Tax で申告するか電子帳簿保存を行うことです。複式簿記のみなら55万円、簡易な帳簿なら10万円の控除になります。