不動産売却の意外な罠:インボイス登録で建物の消費税がかかるケースに注意
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不動産を持ちながら副業もしている人に知ってほしい、インボイス登録の意外な落とし穴があります。実際にあった事例では、副業のためにインボイス登録した大家さんが賃貸物件を売却したところ、本来なら納めなくてよかった建物の消費税を納めることになりました。この記事では、zeipTV で公認会計士・税理士の藤崎さんに伺った事例をもとに、不動産オーナーがインボイス登録前に考えるべきことを整理します。
実際にあった事例:副業のインボイス登録が不動産売却を直撃
事例の登場人物は、住宅を1件貸している大家さんで、別に副業(事業所得)もある方です。
- 住宅の家賃収入には消費税がかからないため、大家業だけならインボイス登録は不要
- しかし副業の関係で**インボイス登録(課税事業者化)**をしていた
- その後、貸していた建物を売却——建物の売却には消費税がかかる
- 未登録なら納めずに済んだ建物売却分の消費税を、登録していたために納税することに
ポイントは、インボイス登録は「事業の分だけ」に効くのではなく、その人の取引全体が課税対象になることです。
法人を分けても、アカウントを変えても逃げられない
「売りたくなったら別法人を作ればいいのでは?」——できません。課税事業者かどうかは物を持っている本人に紐づくため、新しく法人を作っても、自分が持っている不動産を自分が売る限り消費税はかかります。
対処法は「登録の取り消し」だが、時間がかかる
すでに登録してしまった場合は、建物を売るタイミングに合わせて課税事業者の登録を取り消す方法があります。ただし——
- すぐには取り消せない。個人事業主が翌年から取り消すには、前年中に取り消しの申請が必要
- 取り消し後の再登録も可能だが、1〜2年待つ必要がある
つまり「今期中に急に売りたい」には対応できません。不動産のような大きな取引がある人は、年度単位でスケジュールを組む必要があります。
登録前に「売却スケジュール」まで考える
これから登録を検討する人への実務的なアドバイスは次のとおりです。
- 副業の規模が大きくないなら、そもそもインボイス登録をしない選択肢も検討する
- 持っている不動産をいつ売るのか(今年か、来年か、当分先か)まで考えてから登録を判断する
- 影響があるのは「不動産+事業」を両方やっている人。住宅を貸しているだけの大家さんはインボイスはほぼ関係ないが、オフィスや店舗も貸している場合は関係してくる
よくある質問
Q. 大家業だけならインボイス登録は必要ですか?
住宅の貸し付けだけなら家賃に消費税がかからないため、基本的に登録は不要です。オフィス・店舗の貸し付けがある場合や、別に事業をしている場合は検討が必要になります。
Q. インボイス登録したまま不動産を売るとどうなりますか?
建物の売却代金に消費税がかかり、納税が必要になります(土地は非課税)。未登録であれば納める必要のなかった税額です。
Q. 登録を取り消してから売れば大丈夫ですか?
可能ですが、取り消しは翌年からしか効かない(前年中の申請が必要)ため、急な売却には間に合いません。売却の予定がある人は、登録の判断段階から年度単位で計画しましょう。